松本人志と「吉本興業」、櫻井よしこと「愛国ビジネス」、岸田文雄と「政策集団」 嘘・ごまかし・火事場泥棒。追い詰められる人たちの卑怯な言い訳【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第56回
■真の政策集団と真の御父母様
自民党周辺やメディアの論点すり替えもうまくいって、裏金事件の再発防止のためには、「政治資金規正法の改正・運用の見直し」が必要という声が大きくなっている。意味不明。現行法でも逮捕だろ。
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「政治と企業・団体の関係の見直し」「派閥の解消」が必要というのも論点のすり替え。問題の核心は法の下の平等がないがしろにされていることだ。
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岸田文雄が派閥を「真の政策集団」にすると言い出した。二重三重に意味不明。これまで派閥のことを「勉強会」とか「政策集団」と言い換えてきたのではないか。
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萩生田光一は記者会見で、派閥から自身への還流額は2018年から5年間で計2728万円だったと明らかにしたが、離党や議員辞職は否定した。議員を勝手に辞職したら「真の御父母様」に叱られるのだろうか?
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ゴミはゴミ箱へ、ブタはブタ箱へ。
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東京地検特捜部が自民党岸田派の元会計責任者を政治資金規正法違反で立件する方向で最終調整しているとのこと。岸田は、「事務的なミスの積み重ねであると報告を受けている。それ以上のことは承知していない」と述べた。いろいろ終わってますね。
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自民党の裏金事件を受け、日本維新の会が「政治改革実現本部」を立ち上げるとのこと。吉村洋文は「さまざまな政治と金の問題をここで一掃していくべき」「政治とお金の大問題についてはどんどん切り込んでいく。民間の感覚でおかしなところは正していく」と発言。大阪・関西万博にかかるコストは膨らみ続けており、関連するインフラ整備費は約9・7兆円。うち万博会場に直接関係するものは計8390億円。民間の感覚で一番おかしいのは維新の会である。
文:適菜収
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- 目次
はじめに−−「B層」とは何か?
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第一章 内田樹と『日本辺境論』
辺境と偏狭
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
B層グルメと某評論家
B層という言葉が出てきた経緯
なぜ日本はこんなことになってしまったのか?
ルース・ベネディクトの『菊と刀』
安倍晋三の行動原理
学問のブレイクスルー
マイケル・ポランニーと暗黙知
百人一首を暗記する意味
「型」を知るということの贅沢
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第二章 自立を拒絶する人たち
白井聡の『永続敗戦論』
終戦記念日という欺瞞
冗談は櫻井よしこさん
「サヨク」と「保守」の自己欺瞞
「主権の欲求不満」の解消
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第三章 「正義」を笠に着る人たち
ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?
「人間は見たいものしか見ない」
社会的リンチというB層の「正義」
人種問題における「正義」の暴走
「ルッキズム」批判は「正義」なのか?
言葉狩りは「正義」なのか?
若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?
山本太郎と「正義感」について
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第四章 陰謀論に走る人たち
「無知の知」と「無恥の恥」
不道徳としか言えない果物屋
「維新に殺される」
新型コロナは「バカ発見器」でもあった
ひっくり返って駄々をこねる老人たち
Yahoo!ニュースのコメント欄
知識はあるけど教養がないバカ
デマは言論の自由にあらず
社会の変化は元には戻らない
99%の人が知らない話
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第五章 無責任な人たち
安倍の次は維新に騙されるB層
メディアの劣化が止まらない
大阪都構想のデマと事実隠蔽
総選挙で湧いてきたB層
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第六章 恥知らずな人たち
飼い犬の遠吠え
安倍晋三の本質を映し出す一枚
ツッコミ待ち政治家だらけの国
日本の崩壊に気づいていないB層
日本最大の権力者は「改革バカ」
「ジューシー」発言は外部の拒絶
悪意なく嘘を重ねる人々
カルト化した自民党広報本部
百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」
日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相
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おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される